失敗しない不動産売却（３） | 千葉市で不動産売却の仲介業に営む専門家がプロの視点でコラム記事を執筆

【両手仲介（つづき）】

不動産売却の仲介（媒介）では、だれにいくらで売れようが売買が成立すればその売買金額に応じた仲介手数料が売主様から受け取れます。その状況下で、買主様からも手数料を受け取ろうとすると、担当者の心理として「売買金額が少し安くなったとしてもとにかく早く買って（売って）もらおう」という気持ちになります。その結果、売主様よりも買主様の利益を優先しがちになります。

少なくても、売主様のために少しでも高く売ろうという気持ちは薄れ、買主様の希望に合うように売主様に値下げを打診してくるケースもよくあります。

営業担当者は、この仲介手数料の何％かが自分の歩合報酬となってまいりますので、とにかくその話をまとまるのに必死です。あなたのために動いてくれるはずの不動産会社（担当者）が、自分の都合で買い手を優先し、売主（あなた）の利益はあと回しになってします。

これが「両手仲介」の落とし穴です。

「片手仲介」であれば、売主も買主もそれぞれ別の不動産業者（担当者）が担当窓口となりますから、売主（あなた）の担当者は当然あなたの利益のために動いてくれます。

大手不動産業者でも、この両手仲介が５０％を超えるケースはざらのようです。有名会社だからと言ってすべてを信用してはなりません。

当社は両手仲介はしません、などと宣言している会社はございませんので、「他の不動産会社を介して買いたい人が現れた場合もちゃんと対応してくれますか？」と担当者に尋ねてみて下さい。両手仲介にこだわってなければ、「もちろんです。」と返答があるでしょうし、念をおしておくだけでも抑止効果があると思います。

（つづく）